MLBの年金制度について解説!NPBの年金制度は?

素朴な疑問の雑学

MLBには手厚い年金制度があるのはご存じでしょうか?

高額な年俸が貰えて、手厚い待遇のメジャーリーガーですが、実は年金制度も凄いんです!
それはもう、一般人には理解できないレベルです。

この記事では、

  • 10年間在籍すると毎年3,000万円貰えるって本当?
  • 途中でマイナー降格するとどうなるの?
  • NPBにも年金制度はあるの?

という年金制度の疑問について、解説します!

10年間の在籍で毎年3,000万円は本当!

いきなりですが、メジャーリーグに10年間在籍すれば毎年3,000万円貰えるのは本当です!
しかも、受給期間は62歳から死亡するまでです。

正確には以下のように在籍年数によって貰える金額が異なります。

在籍年数
5年 満額の50%
6年 満額の60%
7年 満額の70%
8年 満額の80%
9年 満額の90%
10年 満額 約21万ドル(約3,000万円/年)

つまりメジャーリーグに10年間在籍することができれば、62歳から死ぬまで年間約3,000万円貰えるという訳ですね。なんとも手厚い…。

当然USドルでの支払いですが、本人の国籍等は関係がありませんので、アメリカ人以外でも年金を受け取ることができます。

では在籍年数はどのようにカウントするのでしょうか?
次の章で説明します。

メジャー在籍年数はどのようにカウントするの?

まず、年金制度の受給資格は、43日以上のメジャー登録が必要です。
また、在籍年数を数える際の一年間とは、172日のメジャー選手登録のことをいいます。

メジャーの一軍登録は1チーム40人に限られますので、一年間マイナーへ降格せず、メジャーに在籍し続けることができるのは、大きな怪我をしない一流選手のみです。

マイナーには年金制度がないため、選手としてはなんとしてもメジャー(40人枠)に残りたいというのが本音です。年俸や待遇の面で、メジャーとマイナーには大きな差があります。

ただし、15日間の故障者リスト(DL)はベンチ入り枠(25名)からは除外されますが、メジャー枠(40名)からは除外されないため、年金等の在籍日数にはカウントされます。
一方、60日間の故障者リスト(DL)は、40人枠から除外されますので、年金等の在籍日数にカウントされません。

よって満額を貰える選手は、10年間大きな怪我をせず活躍してメジャーに在籍し続けるか、10年以上を掛けて、MLBでの在籍日数を増やして合計で10年分の在籍日数を稼ぐしかありません。
いずれにしてもこれができるのは、一流選手のみです。

結構多いのが、引退間際に在籍年数が10年となるまで現役を続けるという選手が多いですね。
言い方を変えれば、「メジャーで10年間在籍できたから引退しよう」という考えの選手もいます。

NPBにも年金制度はあるの?

ではNPBの年金制度はどうでしょうか?

実はNPBにも年金制度がありましたが、財政難を理由に2011年で廃止となりました。
プロ野球選手、監督、コーチ、審判が対象で、10年以上の選手登録により55歳から年間120万円を支給するというものでした。

しかしこれは、52億円の赤字を抱えてしまい、2011年に廃止が決定。
NPBだけに限ったことではありませんが、日本の年金制度には限界があったため、当時の選手会は早めに手を打ったとも言えます。

NPBには「支配下10年以上選手養老補助制度」という制度もありますが、この制度は、55歳・60歳達齢時にNPBからそれぞれ50万円を受け取ることができる制度です。

ただし一時金として合計100万円が支払われるだけですので、残念ながらMLBの年金制度とは比較になりません。

NPBもMLBと同じような年金制度を作ることができないの?

残念ながら、NPBとMLBでは財政規模に大きな違いがあります。
NPBの支配下選手とMLBのメジャー契約選手は10倍程の年俸差がありますし、選手会が持つ力も違います。

MLB選手会は、MLBやオーナー達と対等とも言える「世界最強の組合組織」です。
彼らには「納得ができなければ、試合のボイコットも辞さない」という強い思いや、これまでさまざまな選手の権利を勝ち取ってきた歴史がありますし、アメリカ社会も組合組織を持つ意味を強く理解しています。

日本プロ野球で選手会が待遇を理由にボイコットをすれば、「プロ野球選手がお金のことで揉めるな、子供たちの夢を壊すな。」という意見が挙がりかねません。
これでは、NPBに対して強い姿勢で交渉することができません。

また、そもそも無いお金を要求することはできないため、まずはNPB全体で大きな収益を上げることができなければ、NPBの年金制度復活は難しいでしょう。

野球ファンとしては、選手の待遇が向上し、野球選手を目指す人が増えて欲しいですね。

とのま
とのま

メジャー選手が来日して、二軍降格を嫌がるのはこの辺りの理由もあるようです。NPBではMLBより一軍・二軍の行き来がしやすいですし、金銭的な待遇差は少ないんですけどね。



タイトルとURLをコピーしました