審判は石ころは間違い?プロ野球選手も勘違いした「審判に打球が当たった場合の判定」について解説!

野球規則の雑学

「野球において審判は石ころと同じだから、もし打球が審判当たってもプレーは続く」

このような認識の野球ファンは、意外と多いです。
実は私もそのように聞いたことがあり、「審判は石ころと同じなので、打球が当たってもインプレー」だと思っていました。

しかし実際は、野球において審判は石ころと限らない状況があります。
この記事では、審判に打球が当たったときの判定について解説します。

審判に打球が当たってしまった場合の規則について

公認野球規則では、「内野手(投手を除く)をいったん通過するか、または野手(投手を含む)に触れたフェアボールが審判員に触れた場合にはボールインプレイである」となっています。

多く場合、一塁・二塁・三塁審判は、内野手の後ろを守ることが多いです。
そのため、ほとんどの場合は打球が審判に当たって打球の軌道が変わったり、打球がその場で止まってしまってもインプレーとなります。

問題は、「内野手を通過する前に審判に打球が触れた」場合です。
実は塁審の立ち位置は、ランナーの有無によって変わったり、そもそも審判より後ろ、深めに内野手が守る場合があります。
特に二塁審判は、ランナーがいると二塁手より前に立つ場合が多いです。

このときに内野手の守備機会よりも前に審判が打球に触れると、インプレーではなくボールデッド(タイムが掛かった状態)となります。
このとき打者には一つの安全進塁権が与えられ、これにより元々ののランナーが押し出されて進塁する(死球と同じような扱いと)

これが「審判員=石ころ」と言えないケースです。

プロ野球選手でも勘違いする人がいる

実際にプロ野球でもこのケースが起きたことがあります。

2015年6月2日横浜DeNAベイスターズ対福岡ソフトバンクホークスの試合、二死満塁でホークス柳田選手の打球が、二塁審判に当たってからセンターへ抜けます。
二塁ランナーが本塁へ帰りましたが、審判員は二塁ランナーの本塁得点を認めず、柳田選手は出塁、二死満塁で再開、一打点のみと判定しました。

ホークスの工藤監督はこれに抗議、実況も「基本的には審判は石ころと同じのはずですが、今回はそうなっていないようです」と例外規定を把握できていませんでした。
審判員の場内説明をした後も、工藤監督はルールブックを持って審判団に抗議しましたが、審判は規則通りであると説明し、長時間の試合中断の末に試合が再開しました。

このようにプロ野球選手、実況者も勘違いしてしまうほどの難解な例外であり、意外と知らない人が多いのです。

まとめ

記事のまとめです。

  • 審判員に打球が当たった場合は、多くの場合インプレーとなるので、「審判は石ころ」と考えることが多い。
  • ただし例外として(投手以外の)内野手の守備機会前に審判員に打球が触れた場合は、ボールデッド(タイムが掛かった状態)となるので、石ころではない。

プロ野球選手や野球好きでも勘違いする難しいケースでした。
野球ファンで「審判は石ころだ!」と言う人がいても、「そうとも限らないよ」と優しく教えてあげてくださいね。

とのま
とのま

そもそも審判は石ころではなく人間ですね。大変なお仕事だと思います。いつもありがとうございます。

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