長いプロ野球の歴史でたった一度だけ、キャッチャーライナーが記録されたことがあるのをご存じでしょうか?
捕手は打球を受ける向きには守っていませんので、「キャッチャーフライ」や「キャッチャーゴロ」はあっても、「キャッチャーライナー」が記録されることはまずありません。
もしスイングしたバットをかすめて捕手が打球を捕球したとても、ストライクと判定されます。
そんなキャッチャーライナーが記録されたのは、いつ、どのような状況であったのか、この記事で紹介します。
最初で最後の『キャッチャーライナー』は1965年に記録された
プロ野球でキャッチャーライナーが記録されたのは、1965年5月11日の広島対巨人戦です。
広島・安仁屋宗八の投球を巨人・瀧安治が打ち返すと、打球が投手安仁屋選手の膝に当たりホーム方向へ跳ね返り、捕手がこの打球を捕球しました。
ライナーとフライには明確な角度の基準がありませんが、低い角度で放たれた打球が投手に当たり、そのまま低い角度で捕手が捕球するという珍しい出来事でした。
記録員はこれを「キャッチャーライナー」と記録し、プロ野球で初めてキャッチャーライナーが記録されました。
以降、2024年現在まで、プロ野球でキャッチャーライナーが記録されたことはありません。
とのま
膝にライナーが当たった安仁屋宗八選手は、沖縄県出身初のプロ野球選手で、野球漫画、テレビドラマ、映画などで知られる「ROOKIES」の安仁屋恵壹の由来となった選手ですね。