「放送席、放送席、今日のヒーローは、サヨナラ本塁打を放った大谷翔平選手です!」
ヒーローインタビューを開始する前に、アナウンサーが「放送席、放送席」と2回繰り返しているのを聞いたことある方も多いと思います。
“放送席”は一回でいいのでは?と思いますが、「なんとなくそういうもんなんだろう」と思っていませんが?
今回の記事は、なぜアナウンサーが放送席を2回繰り返すのか、その理由について解説します!
放送席を2回繰り返す理由とは?
ずばり放送席を2回繰り返す理由は、インタビュー開始の合図と音量調節のためです。
前提としてヒーローインタビューは、テレビ、ラジオ、ネット中継等、まとめてリアルタイムで流すようになっています。
マイクの音量調節は、視聴者が選手やアナウンサーの声を聞きもらすことがないように、各局の音声スタッフが大変苦労するところです。
マイクの音量が大きすぎると不快ですし、音量が小さすぎると聞き洩らしてしまうためです。
そのため、1回目の「放送席」はヒーローインタビュー開始の合図で、テレビ局やラジオ局の実況・解説者は話をやめるようなっています。
そして2回目の「放送席」までに、ヒーローインタビューを聞きやすいように、音声スタッフが音量調節を行います。
一度でも良いように思うかもしれませんが、もしここで音量調節に失敗してしまうと、ヒーローインタビューの冒頭部分を聞き逃してしまい、視聴者は不満を持ってしまいます。
そうならないように、インタビューの冒頭では「放送席、放送席」と2回繰り返すことが古くからの慣習となった訳です。
昔、無線で連絡するときも、冒頭部は聞き洩らしがないように「こちら○○、こちら○○、応答せよ!」というように、2度繰り返していました。
電話する際に使用する「もしもし」という言葉も、「申します、申します」を略して2回「もし」を重ねますね。
「冒頭部は聞き取りづらいから、2度繰り返す」という感覚と、理屈は同じだと思います。
ちなみに最近では、機器の発達で音量調節が容易になり、雑音等の機器不良も減ったことで、「放送席、放送席」と2度繰り返すこと自体が減ったとのことです。
お馴染みの「放送席、放送席」は、「ヒーローインタビューを聞き逃さないように頑張ってくれている音声さんのためにある」という雑学でした。
ヒーローインタビューって人生で一度くらい受けてみたいですよね。